【名探偵コナン映画2000年代総まとめ】記憶・仮想空間・黒の組織まで！劇場版10作品の魅力を徹底解説

2000年代に公開された『名探偵コナン』劇場版は、シリーズの世界観を深化させると同時に、キャラクターの内面や関係性を丁寧に描いた作品群として高く評価されています。

推理とアクションの融合はもちろん、仮想空間や音楽、海賊伝説など、毎年異なるテーマを巧みに取り入れながら、観客に新鮮な驚きと感動を届けてきました。

特にこの10年間は、黒の組織との対峙や怪盗キッドとの頭脳戦、蘭との絆を軸にした人間ドラマなど、シリーズの根幹に関わる重要な要素が随所に盛り込まれています。

また、京都や横浜、南国の島など、舞台設定にもこだわりが見られ、映像美と物語性が融合した演出が印象的です。

各作品には主題歌も用意され、物語の余韻を音楽で包み込むような構成がファンの心を掴みました。

2000年代の劇場版は、単なる娯楽作品にとどまらず、時代背景や社会的テーマを反映した深みのある内容が多く、シリーズの魅力を多角的に広げる役割を果たしています。

この記事では、そんな2000年代の劇場版10作品を振り返りながら、それぞれの特徴や見どころ、シリーズにおける位置づけを独自の視点で解説していきます。

NO.	公開年	映画タイトル	あらすじ	主題歌名	主題歌歌手名	ゲスト声優
1	2000年	瞳の中の暗殺者	蘭が記憶喪失になった事件の真相を探る中で、コナンは警察関係者を狙う連続殺人犯の動機と手口を突き止め、蘭の記憶を取り戻す鍵を握ります。	あなたがいるから	小松未歩	なし
2	2001年	天国へのカウントダウン	高層ビルで起きた爆破事件の裏に隠された黒ずくめの組織の陰謀を暴くため、コナンは少年探偵団と協力してタイムリミットに挑みます。	always	倉木麻衣	なし
3	2002年	ベイカー街の亡霊	仮想空間「コクーン」で起きた殺人事件に巻き込まれた子どもたちを救うため、コナンは19世紀ロンドンのシャーロック・ホームズの世界で推理を展開します。	Everlasting	B'z	なし
4	2003年	迷宮の十字路	京都を舞台にした連続殺人事件の謎を追う中で、コナンと服部平次は古都に眠る秘宝と因縁の剣士の真実に迫ります。	Time after time〜花舞う街で〜	倉木麻衣	なし
5	2004年	銀翼の奇術師	怪盗キッドが仕掛けたトリックと飛行機内で起きた殺人事件を同時に解決するため、コナンは空の密室で推理を駆使します。	Dream×Dream	愛内里菜	なし
6	2005年	水平線上の陰謀	豪華客船で起きた連続殺人事件の真相を探る中で、コナンは海に沈んだ過去の事故と犯人の復讐劇に迫ります。	夏を待つセイル（帆）のように	ZARD	なし
7	2006年	探偵たちの鎮魂歌	謎の依頼人により命をかけたゲームに巻き込まれた探偵たちは、制限時間内に事件を解決しなければ命を落とすという極限状態に挑みます。	ゆるぎないものひとつ	B'z	なし
8	2007年	紺碧の棺（ジョリー・ロジャー）	神海島に伝わる女海賊の財宝伝説を巡り、コナンたちはトレジャーハンターの陰謀に巻き込まれ、蘭と園子の友情を軸に海底神殿での脱出劇が繰り広げられます。	七つの海を渡る風のように	愛内里菜&三枝夕夏	井上和香、山本梓、桜塚やっくん
9	2008年	戦慄の楽譜（フルスコア）	音楽ホールで起きた爆破事件と天才ソプラノ歌手の過去に隠された悲劇に迫る中、コナンは音楽の力を借りて犯人の動機と真相を解き明かします。	翼を広げて	ZARD	葉加瀬太郎
10	2009年	漆黒の追跡者（チェイサー）	黒ずくめの組織のメンバーが関与する連続殺人事件に挑むコナンは、組織の影に迫りながらも、蘭との絆を守るために命がけの推理を展開します。	PUZZLE	倉木麻衣	DAIGO

「名探偵コナン映画　２０００年代」について、上記にまとめました。

以下に具体的に説明します。

1.『瞳の中の暗殺者』(2000年公開)について

『名探偵コナン瞳の中の暗殺者』は2000年に公開されたシリーズ第4作で、記憶喪失をテーマにした作品です。

蘭が警察官連続殺人事件を目撃したことをきっかけにショックで記憶を失い、コナンが彼女を守りながら事件の真相を追う物語が描かれます。

本作では「記憶」と「愛」が大きなキーワードとなっており、コナンと蘭の絆がシリーズの中でも特に丁寧に表現されています。

舞台は警察関係者の人間模様を中心に展開し、サスペンス色が濃く、観客に緊張感を与えました。

犯人を追い詰めるクライマックスでは、蘭が失っていた記憶を取り戻す場面が印象的で、多くのファンの心を打ちました。

興行収入は約25億円を記録し、公開当時の注目度の高さを示しています。

シリーズ初期の中でも特に恋愛描写が色濃く描かれた作品として現在も人気を集めています。

2.『天国へのカウントダウン』(2001年公開)について

2001年に公開された『名探偵コナン天国へのカウントダウン』はシリーズ第5作で、黒の組織が関わるストーリーが描かれる初期の重要作です。

舞台は最新設備を備えたツインタワービルで、灰原哀が黒の組織への恐怖心と向き合いながら事件が進行します。

爆破予告と殺人事件が同時に進行する緊迫感が特徴で、特に爆弾処理のシーンは多くの観客を手に汗握らせました。

哀と少年探偵団の活躍も印象的で、子どもたちの勇気ある行動が物語を大きく動かします。

黒の組織が関与することにより、コナンと哀の立場がより際立ち、シリーズ全体の緊張感を高めました。

ラストでは大規模な爆発の中での脱出劇が繰り広げられ、スリルと感動を与える展開となっています。

本作の興行収入は29億円を超え、シリーズの人気を不動のものとしました。

3.『ベイカー街の亡霊』(2002年公開)について

2002年公開の『名探偵コナンベイカー街の亡霊』は、仮想現実を舞台にした革新的な設定が話題となった第6作です。

新型ゲーム機「コクーン」を使ったバーチャル空間に子どもたちが閉じ込められ、ゲームをクリアできなければ命の危険にさらされるという緊迫した内容でした。

舞台は19世紀のロンドンで、シャーロック・ホームズの世界観が再現され、コナンたちは「ジャック・ザ・リッパー」を相手に挑みます。

歴史的背景や推理要素を融合させた構成は当時の観客に大きな衝撃を与え、シリーズ屈指の名作とされています。

また、親子関係や人類の未来に関わるテーマも描かれ、エンターテインメント性と社会性を兼ね備えた作品となりました。

興行収入は34億円を超え、作品の斬新さが広く評価されています。

4.『迷宮の十字路』(2003年公開)について

2003年公開の『名探偵コナン迷宮の十字路』はシリーズ第7作で、京都を舞台に古都の雰囲気と和の要素を取り入れた作品です。

義経記にまつわる秘宝を巡る事件と盗賊団の暗躍が描かれ、コナンと服部平次の名推理が大きな見どころとなりました。

本作はアクションと情緒のバランスが優れており、特に平次と和葉の関係性が丁寧に描かれてファンの支持を集めました。

舞台が京都ということで、清水寺や五重塔などの名所が登場し、映像美とともに物語を引き立てています。

犯人との対決シーンでは和葉が人質となり、平次の決死の行動が観客を引き込みました。

興行収入は32億円を記録し、シリーズの中でも屈指の人気作となっています。

和の世界観とミステリーを融合させた本作は、歴代映画の中でも特別な位置づけを持っています。

5.『銀翼の奇術師』(2004年公開)について

2004年に公開された『名探偵コナン銀翼の奇術師』はシリーズ第8作で、怪盗キッドがメインのライバルとして登場する華やかな作品です。

舞台は最新鋭の飛行機「ベル・ツリーⅠ号」で、怪盗キッドが狙う宝石を巡る攻防と機内で発生する殺人事件が同時進行します。

密室空間での推理劇に加え、ハイジャック同然の緊迫した状況が観客を引き込みました。

コナンとキッドの頭脳戦が大きな見どころで、互いに認め合う関係性も本作を盛り上げています。

さらにラストでは飛行機の緊急着陸を巡るスリリングな展開が描かれ、シリーズの中でも特にスケール感のある演出が印象的です。

観客動員数は約325万人、興行収入は28億円を記録し、キッド人気を確立する作品となりました。

ファンからは「コナン映画らしいドキドキ感と華やかさを兼ね備えた一作」として高い評価を受けています。

6.『水平線上の陰謀』(2005年公開)について

『水平線上の陰謀』は2005年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズ第9作で、豪華客船を舞台にしたミステリー作品です。

物語は、工藤新一として招待されたコナンが、毛利小五郎や蘭と共に最新鋭の大型客船アフロディーテ号に乗り込むところから始まります。

船内では政財界の要人や著名人が集まり、華やかな雰囲気に包まれていましたが、やがて連続殺人事件が発生します。

過去の因縁が絡み合い、海上という閉ざされた環境の中で犯人を追い詰める緊迫感あふれる展開が特徴です。

本作では、コナンの冷静な推理に加え、蘭や小五郎の人間味ある姿も描かれ、観客に強い印象を残しました。

シリーズの中でもスケール感の大きな舞台設定が評価され、推理の王道を楽しめる内容になっています。

7.『探偵たちの鎮魂歌』(2006年公開)について

2006年公開の『探偵たちの鎮魂歌』はシリーズ第10作にあたり、節目の記念作品として多くの人気キャラクターが集結しました。

物語は、コナン、小五郎、蘭たちが神奈川県横浜の街を舞台に依頼を受けるところから始まります。

謎の依頼人によって爆弾付きの腕輪をはめられたコナンたちは、制限時間内に事件を解決しなければ命の危険に晒されるというスリリングな状況に追い込まれます。

本作では服部平次や怪盗キッド、さらには少年探偵団まで登場し、シリーズ屈指の豪華なキャストが事件解決に挑む姿が描かれました。

横浜のランドマークタワーや中華街といった実在の街並みを活かした映像美も印象的で、ファンからは「オールスター映画」と呼ばれるほどの人気を集めました。

推理要素とアクションのバランスが絶妙で、記念作にふさわしい仕上がりとなっています。

8.『紺碧の棺（ジョリー・ロジャー）』(2007年公開)について

2007年に公開された『紺碧の棺（ジョリー・ロジャー）』は、南国の島を舞台にした海賊伝説と財宝探しをテーマにした冒険色の強い作品です。

コナンたちはリゾート地として有名な神海島を訪れ、伝説の女海賊アン・ボニーとメアリ・リードが残した財宝の謎に挑むことになります。

しかし、観光客を狙った宝探しゲームの裏で殺人事件が発生し、楽しい雰囲気は一変します。

物語は海底洞窟での潜水シーンや財宝を巡る攻防など、これまでにないスリル満点の展開が見どころです。

少年探偵団の活躍も大きく、特に元太や歩美が勇気を見せる場面は観客の心を掴みました。

トレジャーハントのロマンと名探偵コナンならではの推理が融合した本作は、シリーズの中でも冒険色が際立つ一作として評価されています。

9.『戦慄の楽譜（フルスコア）』(2008年公開)について

2008年公開の『戦慄の楽譜（フルスコア）』は、音楽をテーマにした異色の作品です。

著名な指揮者堂本一揮が指揮する音楽ホールで起きる連続事件を軸に、コナンたちが真相を追いかけます。

音楽ホールの爆破予告や天才的な音楽家たちの確執が物語に緊張感を与え、クラシック音楽の世界を背景にしたミステリーは新鮮な魅力を持ちました。

特に注目されたのは、蘭の歌声が物語の重要な鍵を握るという設定で、普段は推理やアクションが中心のシリーズにおいて、感動的な人間ドラマが際立ちました。

また、楽譜や音階に隠されたトリックも巧みに仕組まれており、音楽と推理が融合した演出は観客に新しい体験を提供しました。

劇場版ならではの迫力ある演奏シーンも高く評価され、ファンに強い印象を残しています。

10.『漆黒の追跡者（チェイサー）』(2009年公開)について

2009年に公開された『漆黒の追跡者（チェイサー）』は、黒の組織が本格的に登場するシリーズ第13作で、緊迫したストーリー展開が大きな話題となりました。

物語は東京で連続殺人事件が発生するところから始まり、コナンは黒の組織の影を感じ取りながら真相を追います。

FBI捜査官であるジョディや赤井秀一も登場し、組織との攻防が本格的に描かれることでシリーズの核心に迫る重要な作品となりました。

本作では、コナンが黒ずくめの組織と直接対峙する場面もあり、観客に緊張感と興奮を与えます。

さらに、夜の東京を舞台にした追跡シーンや迫力あるアクション描写が加わり、これまで以上にシリアスな雰囲気が強調されました。

シリーズの中でも特に人気が高く、黒の組織との因縁が描かれるターニングポイント的な位置付けとなっています。

まとめ

2000年代の『名探偵コナン』劇場版は、シリーズの進化と深化を象徴する10作品が揃っており、推理の枠を超えた多彩な物語が展開されました。

記憶喪失や仮想空間、音楽、海賊伝説など、毎年異なるテーマが選ばれ、観客を飽きさせない工夫が随所に見られます。

特に『ベイカー街の亡霊』や『戦慄の楽譜』では、社会性や人間ドラマが強調され、エンタメ性とメッセージ性の両立が図られていました。

また、黒の組織との対決が描かれた『天国へのカウントダウン』や『漆黒の追跡者』は、シリーズの核心に迫る重要な作品として位置づけられ、ファンの間でも語り継がれる名作となっています。

舞台設定においても、京都や横浜、南国の島など、地域性を活かした演出が印象的で、物語にリアリティと奥行きを与えていました。

さらに、怪盗キッドや服部平次など人気キャラクターの活躍も見逃せず、シリーズの魅力を多面的に引き出す役割を果たしています。

これらの作品は、単なる推理映画ではなく、感情や関係性、社会的背景を織り交ぜた総合的なエンターテインメントとして、今なお多くのファンに愛され続けています。

2000年代の劇場版は、名探偵コナンという作品が持つ可能性を大きく広げた、記念碑的な10年だったと言えるでしょう。